2013
04.02

起死回生となるかフルベストラント

以下の記事は、
ケアネットに掲載したものを転載しています。
http://www.carenet.com/news/clear/journal/33747

オリジナルのジャーナルは
アナストロゾール+フルベストラント併用療法、HR陽性転移性乳がんの生存を改善NEJM 2012;367:435-44.
http://www.carenet.com/news/journal/carenet/30553
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=N+Engl+J+Med+2012%3B367%3A435-44.


 転移性乳がんに対するフルベストラントはこれまで一つもポジティブデータは存在しなかった。フルベストラントは現在の乳がんホルモン治療薬の標準治療であるタモキシフェンと違って、エストロゲンアゴニスト作用のない、pure anti-estrogen薬剤として有用性が期待された薬剤であったが、これまで行われてきた第三相比較試験ではことごとく失敗に終わってきた。転移性乳がんに対する一次治療として、タモキシフェンとの比較では、非劣性が証明されず(JCO. 2004;22(9):1605.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15117982)、二次治療としても、アナストロゾールとの比較(JCO. 2002;20(16):3386http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12177098, JCO. 2002;20(16):3396http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12177099)エクセメスタンとの比較(JCO. 2008;26(10):1664http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18316794)でも有意な結果は得られていない。

 今回の結果は、フルベストラントの起死回生ともなるべく一発ポジティブデータである。単剤投与では有用性が証明できなかったので、アナストロゾールとの併用で有用性を見ようというものである。製薬企業ベースの試験が多い中、この試験は、米国公的資金サポートを受けたSWOG(南西部がん研究グループ)の試験であることは信頼にたるものであるが、プラセボが使用されなかったことは残念なことである。また、同様のデザインでネガティブデータが既に公表されている(JCO. 2012;30(16):1919.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22370325)。FACT試験と呼ばれるこの試験は、514名を対象としたフルベストラント+アナストロゾール併用vs.アナストロゾール単剤のランダム化比較試験であるが、主要エンドポイントの無増悪生存期間では有意差はなかった(11ヶ月 vs. 10ヶ月)。
今回の試験結果のみで、フルベストラント+アナストロゾールが標準治療になるものではないと思われるが、乳がん治療において、フルベストラントの今後の生き残る道が示されたのではないかと思われる。

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